御曹司は初心なお見合い妻への欲情を抑えきれない
東堂さんと会えたのは、そんなことがあった二日後。日曜日の午後だった。
土曜日の夜に帰国して、今日の午前中は用事を済ませていたらしい。
その用事と言うのが……。
「車の修理が無事終わったところをひなたに見せたかったから、午前中にとってきたんだ」
ハンドルを握りながら笑う東堂さんに、私も微笑む。
「ありがとうございます。でも、本当によかったです」
私も確認させてもらったけれど、先週にはあった傷が綺麗になくなっていた。
東堂さんの話では、傷を消したわけではなく部品ごと交換したらしい。私には車の知識がないのでよくわからないのだけれど、部品交換となると取り寄せしなくちゃだし金額的にも高くなるイメージがある。
だからその辺がどうだったのかを聞くと、「部品は取り寄せた。でも、修理費用は全額保険でカバーできた」と東堂さんが説明してくれた。
とりあえずは、この件は一段落してホッとした。
「この車、お気に入りだって話してたから無事戻ってきてくれて本当によかったです」
「さすがに寿命がきたら話も別だけど、修理でもなんでもして直る限りは手元に置いておきたいし、俺もよかった」
そんな車で、今日は海に向かっていた。
もちろん泳ぐわけではなく、ドライブを兼ねて眺めに行くのが目的だ。
そして、おやつは海からほど近いカフェでとる予定になっている。