御曹司は初心なお見合い妻への欲情を抑えきれない


私の名前を呼ぶあの声で、他の女性の名前を呼んで、安心させてくれるような微笑みを向けて、優しく触れたのかと思うと、胸の奥にジリッと焦げたような痛みが走った。

金曜日、テーブルの下で握られた右手に視線を落とし……そのまま目を伏せた。


東堂さんはあの大きくて温かい手で他の女性にも触れていた。
それを想像するのがなんでだか嫌で、胸の奥底からもやもやと霧がかかり胸やけのような気持ち悪さがいつまでも残っていた。






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