能力を失った聖女は用済みですか?
あとアルバーダで気付いたこともある。
老人達だけでは、畑に出来た大量のイモを全部収穫することは出来なかったらしい。
仕方なく放置しておくと、収穫した所にだけ新しいイモが実り、放置していた場所のイモはそのままだったのである。
つまり、収穫した分だけ実る……という事実が判明したのだ。

「では、各集落の開墾地の面積を増やし、イモの収穫を各集落に任せる。そして、王宮でルナシータの製造を一手に引き受けましょう」

「産地と製造をわける……ということですか?」

「その通り分業です。ここで、収穫から製造を全てするのは効率が悪いので」

「なるほど……それならルナの負担も減るな」

カイエンが話に加わると、アミードはコクリと一つ頷いた。

「ええ。全員の負担を減らすことは、作業効率の向上に繋がります。効率良くじゃんじゃん儲けましょう」

じゃんじゃん儲けましょう……って真面目な顔で言わないで。
私は吹き出しそうになるのを必死でこらえた。
この人、お役人というよりは、断然商人の方が向いている。
アッサラームが商売上手で、どんどん大国になっていくのは、間違いなくアミードのおかげだ。
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