能力を失った聖女は用済みですか?
「ありがと!飽きが来なくて、美味しい料理、がんばって考えるね……じゃあ、挨拶代わりに……」

と、私は徐にルナシータを取り出した。
実はここにくるまでお腹が空いて、カイエンと馬上でポリポリ食べていたのである。

「はい。これどうぞ」

「何?小枝?じゃないよね?」

サリューは首を傾げて袋を受けとると、一本取って後ろの子供達へと渡す。
匂いを嗅いで、凝視して。
子供達の様子は、毒かと訝しむカイエンのようで、私はクスッと笑いを溢した。

「小枝でもないし、毒でもないよ?イモで作ったお菓子なの。食べてみて?」

「お菓子!?」

そう言うと、サリューと子供達は、何の躊躇もなく口へと運んだ。
さすがというか、なんというか……。
お菓子という言葉の威力は絶大である。

「美味しいっ!何これ!?すごく美味しいよ!」

「あまーい!カリカリしてて、口の中でゴリゴリいうよ。面白いね!」

「もっと食べたいよぅ!お姉さん。もうないの?」

「ふふふっ。もちろんあるわよ!」

それを聞いた子供達は、押し合いながら私に詰め寄る。
あまりの勢いに、おっと、と体をふらつかせると、後ろにいたカイエンが支えてくれた。

「おいおい。急がなくても沢山あるから。順番に並べ、ほらっ!」

「はぁい。カイエン様ー!」

いい返事を返し、サリューと子供達は私の前に並んで、小さな手を出した。
お友達なだけあって、カイエンは彼らの扱いがうまい。
王様じゃなかったら、保育士さんでも行けると思うよ。
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