能力を失った聖女は用済みですか?
シャンバラの都から、国境付近の集落まで補給しに来るのは滅法効率が悪い。
それならば、人を都近くに集める方が何かと都合がいいはず。
そうしないのは、この集落の老人のように事情がある人のため……。
私は俄然シャンバラという国に興味が湧いた。
そして、なんとか力になりたいと思った。
「おじいさん、補給部隊は今どこにいるの?都?」
「いや、昨日ここに来たからな。今日はおそらく二つ先の集落で夜営するだろうな」
「そう。ありがとう!」
「そんなことを聞いてどうするつもりなんだ?まさか、歩いていくのかい!?それは無理だ!二つ先の集落まではかなりの距離が……」
「あ、それは平気です。私、飛べますので……」
そう言うと、老人はポカンと口を開けた。
しかし暫くすると、何かに気付いたようにハッとした。
「そういえば……あんたここまでどうやって来た?そんな術師のようにヒラヒラな服を着てたんじゃあ、この山あいの集落に来るのは大変じゃったろう!?」
「……服 、あっ!?そうですね、これじゃあ動きにくいわ……おじいさん!あの羽織、貸してくれませんか?代わりにこのヒラヒラ差し上げますので」
指摘されるまですっかり忘れていたけど、聖女の衣装のまま飛び出して来たのだった。
裾も袖も長く、ヒラヒラでキラキラ。
こんなものを着ていると、怪しまれてしまうわ。
私の言葉に、老人は呆れたように空笑いをした。
それならば、人を都近くに集める方が何かと都合がいいはず。
そうしないのは、この集落の老人のように事情がある人のため……。
私は俄然シャンバラという国に興味が湧いた。
そして、なんとか力になりたいと思った。
「おじいさん、補給部隊は今どこにいるの?都?」
「いや、昨日ここに来たからな。今日はおそらく二つ先の集落で夜営するだろうな」
「そう。ありがとう!」
「そんなことを聞いてどうするつもりなんだ?まさか、歩いていくのかい!?それは無理だ!二つ先の集落まではかなりの距離が……」
「あ、それは平気です。私、飛べますので……」
そう言うと、老人はポカンと口を開けた。
しかし暫くすると、何かに気付いたようにハッとした。
「そういえば……あんたここまでどうやって来た?そんな術師のようにヒラヒラな服を着てたんじゃあ、この山あいの集落に来るのは大変じゃったろう!?」
「……服 、あっ!?そうですね、これじゃあ動きにくいわ……おじいさん!あの羽織、貸してくれませんか?代わりにこのヒラヒラ差し上げますので」
指摘されるまですっかり忘れていたけど、聖女の衣装のまま飛び出して来たのだった。
裾も袖も長く、ヒラヒラでキラキラ。
こんなものを着ていると、怪しまれてしまうわ。
私の言葉に、老人は呆れたように空笑いをした。