未来の種
「繋がらないね…。電話殺到してるのかな…。」
「ミイ、とりあえずもう寝ろ。明日は休まないとな。」
「うん…」
私は不安でならなかった。
未知のウイルス…。まだワクチンも特効薬もない。唯一効きそうな薬は、胎児に影響が出る薬だそうだ。妊娠したい私は、絶対に使いたくない薬だった。
それに、大事な優にうつしてしまったらどうしよう…。やっぱり実家に帰ってもらった方がいいのかも…。
そんな事を考えていたから気疲れしたのか、私は眠ってしまった。
翌日も起きられず、幼稚園には優が連絡を入れてくれた。本格的にしんどくなってきた。
誰にも迷惑をかけたくなかったのに、結局、クリニックに来ていた母が上に上がってきて、具合の悪い私を見つけてしまう。
「ミイちゃん! どうして連絡しないの⁉︎」
「……皆んなにうつしたら大変だもん。
それに、そんなに酷くないの。微熱だし。食事が美味しくないだけ。味覚障害ってやつね。
お母さん、このまま寝てたらなんとかなるかもしれないから、お願い、帰って?」
「そんなわけに行かないわよ。
とりあえず、消化の良さそうなものを作っておくわ。
優くんにも同じものになっちゃうけど、食べさせてあげて。
お母さんはマスクしてるから大丈夫よ。」
…具合の悪い娘を放って置けるわけないか…。申し訳ない。
プルルルルー プルルルルー
母の電話が鳴った。
「ごめんなさい、遅くなって。
……それが…ミイちゃん、具合悪そうなの。
今日休んでるのよ。微熱と味覚障害があるみたい…。保健所に連絡したみたいなんだけど、電話が通じないんだって。
……え、なんて?
……わかった。待ってるわ。
マスクしてきてね。」
まさか…上がってくるの?
「お父さん、診察してくれるって。」
「え! ダメだよ!
お父さんがうつったらどうするの⁉︎
クリニック閉めることになるじゃない!」
「もう! 娘の方が心配に決まってるでしょう?」
…有り難いけど…。
結局皆んなに迷惑かけちゃうよ…。
情けない……
「ミイ、とりあえずもう寝ろ。明日は休まないとな。」
「うん…」
私は不安でならなかった。
未知のウイルス…。まだワクチンも特効薬もない。唯一効きそうな薬は、胎児に影響が出る薬だそうだ。妊娠したい私は、絶対に使いたくない薬だった。
それに、大事な優にうつしてしまったらどうしよう…。やっぱり実家に帰ってもらった方がいいのかも…。
そんな事を考えていたから気疲れしたのか、私は眠ってしまった。
翌日も起きられず、幼稚園には優が連絡を入れてくれた。本格的にしんどくなってきた。
誰にも迷惑をかけたくなかったのに、結局、クリニックに来ていた母が上に上がってきて、具合の悪い私を見つけてしまう。
「ミイちゃん! どうして連絡しないの⁉︎」
「……皆んなにうつしたら大変だもん。
それに、そんなに酷くないの。微熱だし。食事が美味しくないだけ。味覚障害ってやつね。
お母さん、このまま寝てたらなんとかなるかもしれないから、お願い、帰って?」
「そんなわけに行かないわよ。
とりあえず、消化の良さそうなものを作っておくわ。
優くんにも同じものになっちゃうけど、食べさせてあげて。
お母さんはマスクしてるから大丈夫よ。」
…具合の悪い娘を放って置けるわけないか…。申し訳ない。
プルルルルー プルルルルー
母の電話が鳴った。
「ごめんなさい、遅くなって。
……それが…ミイちゃん、具合悪そうなの。
今日休んでるのよ。微熱と味覚障害があるみたい…。保健所に連絡したみたいなんだけど、電話が通じないんだって。
……え、なんて?
……わかった。待ってるわ。
マスクしてきてね。」
まさか…上がってくるの?
「お父さん、診察してくれるって。」
「え! ダメだよ!
お父さんがうつったらどうするの⁉︎
クリニック閉めることになるじゃない!」
「もう! 娘の方が心配に決まってるでしょう?」
…有り難いけど…。
結局皆んなに迷惑かけちゃうよ…。
情けない……