秘密のカンケイ
そう溢すアオイも悲痛な表情だ。これは本当に知らなくていいことだったのだろうか。

浮気に気付かなければ

LINEに気付かなければ

名前を知ることがなければ

アオイから話を聞かなければ

私はそれで本当に幸せだった?


いや、知らずに裏切られ続けるのはもっと不毛な時間を過ごさなければいけない。それならばこれは知らなければいけないことだったんだ。

「アオイにもツラい思いをさせてしまって本当にごめんね…。でも……これは知らなければいけないことだったと…思っている。知らせてくれてありがとう」

ぐすぐす泣きながら思いを伝えた。その日は混乱してそれ以上の話が無理だと私が判断して別れた。どうするのかの気持ちが定まったらアオイに連絡しよう。しなければいけないのだ。
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