すてきな天使のいる夜に〜2nd Sstory〜
ーside 沙奈ー



それから私は退院の日をむかえた。



いつもなら晴れやかな気持ちで病院を出られているのに、今はどんよりと曇った空の色のように私の心は荒んでいた。



「沙奈、約束してほしい。」




「何?」



「1人で我慢はしないで。


悲しい気持ちや悔しい気持ちがまた膨らんで大きくなって来たら、すぐに俺を頼ってほしい。


いつか、沙奈が壊れてしまいそうで怖いんだ…。」




最後にそう言って、切ない表情をする大翔先生。



「そんな表情しないで…


私が苦しくなっちゃう…。


大翔先生、たしかにまだあの人のことを考えるとたまらなく辛い気持ちになる。


心が痛くなる。


苦しくなる…。


だけどね、俯いてばかりいたら本当に大切な物を見失ってしまいそうだから嫌なの。


私は、大翔先生や紫苑、翔太が傍にいてくれるだけで幸せなの。」




家族ノカタチは人それぞれだと思う。



血の繋がりがあってもなくても関係ないと思うの。



自分が幸せで居られる場所や、大好きな人がいる場所が自分の帰る道。



それぞれが思い合い、自分の人生をかけてでも守ってくれる人達。



優しく包み込んでくれる温かさ。



紫苑達と出会わなければ、きっと私は知ることができなかっただろう。



一生一人で強がって生きてきたかもしれない。



それか、遠の昔に命を落としていたかもしれない。



大翔先生も、家族同然に私を大切にしてくれている。



真剣な気持ちで、私を愛してくれている。



その気持ちに嘘はないから、私も大翔先生の事を愛することができたのかもしれない。



誰かをこんなに好きになることなんてなかったから、自分の中でも戸惑いだらけだった。



裏切られたりするかもしれないと恐怖もあった。



紫苑と翔太以外の誰かの優しさを遠ざけて生きてきた私にとって、大翔先生との出会いは私を変えてくれたとも思っている。




「大翔先生、私ねこれからも大翔先生と一緒にいたいの。


初めてなの。


紫苑や翔太以外の誰かとこんなに深い関わりを持つのも。


大人の男性の温もりが安心できると思ったのも。



先生の温もりには、勝てない…



自分の気持ちにも嘘がつけないの。



私を幸せにしてくれる温もりは、大翔先生の腕の中だけだよ。」




「沙奈…」



大翔先生は、私を優しく抱き寄せキスを落とした。



軽いキスだけでなく、気持ちを確かめ合うかのように深く舌を絡め合う。



息もつく間もなく、体温が次第に上がっていくのを感じる。



「ごめん、沙奈…


我慢できない…」




甘く切なく耳元で囁く大翔先生の言葉に、私の心も熱くなり自分の中でも歯止めが利かなくなって行った。




「いいよ、大翔先生なら…怖くない…」




「沙奈…」



私の言葉に、大翔先生は理性の糸が切れたかのように私を優しく抱いてくれた。




「沙奈、愛してるよ…」



「んっ…私も…」



途切れ途切れになる呼吸の中で、大翔先生の気持ちに応えた。




「辛くなったら言えよ…」



「んっ…」



「ふふ…可愛い」



大翔先生が触れる度、体中に電気が走るように体が痺れていくのを感じる。



あまりにも優しく私を抱くから…



18年間生きてきた中で、誰かと抱き合ったことなんて1度もなかった。




初めての感覚で、自分がどうなってしまうのか想像もつかず怖いはずなのに…



相手が大翔先生だから、安心できるのかな…。



絶え間なく与えられる刺激に、自分でも聞いたことの無い甘ったるい声が漏れ、シーツを握り閉めている反対の手で口を押さえ声が出ないようにしていた。


だけど…



我慢できない…



声が、漏れちゃうよ…




「…あっ…

ごめ…ん…


声…がっ…」




「沙奈、我慢しなくていいよ…


この時間はみんな休憩に入ってて、ナースコールを押さない限り誰も来ないから。


それに、沙奈のいる病室は外に声が漏れないよに特別な作りになっているんだ。



だから…



可愛くて甘い声、俺に聞かせて。」




私の様子を見ていた大翔先生は、私に安心させるように優しく大きな手で頬を包み込みながら話してくれた。


その言葉を境に、大翔先生の気持ちは高くなり身にまとっている衣服を優しく脱がせ、胸の膨らみをなぞるように触れ、胸の1番高いところが大翔先生の口の中に入っていった。




「こっちも正直だね…」



胸元にキスを落としながら、大翔先生の手が下へ伸び優しく触れている。



「…んっ!


大翔…先生…


そこは…」



あまりの心地良さに、頭が真っ白になっていった。
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