妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カルスとイアンもカテリアーナを追って、ツリーハウスに入ってきたのだ。

 イアンは奥の貯蔵庫に入っていくと、ガサガサと木箱を漁っている。

「ない! 新種のマタタビがなくなっている」

 フィンラスはしばらく思案する。何者かがマタタビモドキを盗んだのだ。明らかに証拠隠滅をするためだと推察できる。

「こやつらをこのまま放置しておくと危険そうだな」
「そうですね。ごろつきといえども我が国の国民です」

 フィンラスとカルスの物騒な会話を聞いて、イアンが体を震わせている。

「俺たち、消されるってことか?」
「その可能性が高いのよ。イアン、一緒に王都へ行きましょう。仲間たちも連れて」

 カテリアーナとしては、このままイアンたちを放置するという選択肢はない。もふもふを殺めるなどもっての外だ。
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