妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 早朝、中庭で歓声があがる。クローディアは何事かと思い、中庭へと赴く。

 中庭では護衛騎士たちがカテリアーナを囲んで、何やら楽しそうに話している。

「何事じゃ?」
「これは……王太后陛下。おはようございます」

 クローディアが問いかけると、騎士たちは跪き、挨拶をする。

「おばあさま! ごきげんよう!」

 カテリアーナは祖母の元に駆け寄ると、ワンピースの裾をつまみカーテシーをする。クローディアが教えたとおり優雅なカーテシーだ。

「ごきげんよう、カティ。何やら楽しそうだが、良いことでもあったか?」
「あのね。弓を教えてもらっていたの」

 ラストリア王国では女性も狩りを(たしな)むため、弓を学ぶ貴族令嬢も多い。
< 13 / 203 >

この作品をシェア

pagetop