妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カテリアーナの細い肩が小刻みに震えている。

 フィンラスは一瞬の後、戸惑いがちにこう答える。

「それは違うと言いたいところなのだが……分からない」
「そう……なのね」

 はっきりフィンラスの口から「違う」と言ってほしかった。しかし、ケットシーの王である彼にも分からないという。

 ほろりと頬に熱いものが伝う。決して、人前で涙を見せてはならないという祖母の教えを破ってしまった。

「わたくしは人間でもなく、妖精でもない。不確かな存在なのね」
「カティ、泣かないでほしい。いや。泣きたい時には泣いた方がよいのか?」

 ひっそりと泣くカテリアーナにフィンラスは狼狽えてしまった。彼女が泣く姿を見るのは、クローディアが亡くなった時以来だ。

 あの時、フィンラスは猫姿だったのでカテリアーナに抱きしめられたまま、彼女が泣き止むのを待つしかなかった。

 フィンラスは立ち上がると向かい側に座るカテリアーナの下にいく。そして彼女をそっと抱きしめる。
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