妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 大広間の扉が開くと、中の人々は一斉にカテリアーナに注目する。

「『取り替え姫』だ」
「まあ、怪物のようなお姿かと思いましたが、お美しいのね。まるで人形のよう」
「しかし、国王陛下にも王妃殿下にも似ていらっしゃらないな」

 ひそひそと貴族が囁く中、カテリアーナはアイザックにエスコートされ、ゆっくりと歩む。
 
 やがて玉座に辿り着くと、カテリアーナは跪く。玉座には国王と王妃、両サイドに王太子と第一王女がいるからだ。
 
 社交界デビューする貴族の子女はこうして王族に謁見をするのだ。第二王女であるカテリアーナはこのまま玉座まで国王に招かれるはずなのだが、一向にその気配はない。

「面をあげるがよい。カテリアーナ、めでたき成人の儀に良い知らせがある」
「何でございましょうか?」

 国王は立ち上がると、大仰に両手を広げる。

「皆にも聞いてほしい! 第二王女カテリアーナはエルファーレン王国国王フィンラス殿の下へ嫁ぐ」
「え?」

 父は何を言っているのか? 一瞬、カテリアーナは父の言葉を理解できなかった。
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