妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 カテリアーナは思わず不躾(ぶしつけ)な視線をフィンラスに向ける。

 フィンラスはカテリアーナの視線を受け止めると、アメジストの瞳をふっと緩める。優しい眼差しだ。

「俺の正体が気になるのだろう? お望みならこの場で見せよう」

 フィンラスの体が光ると、人間の姿から本来の姿に変化する。

「えっ!?」

 変化したフィンラスの姿を見て、カテリアーナは驚く。

 エルファーレン王国の国王の正体はもふもふな黒猫だった。しかもふてぶてしい面構えをしている。

「驚いたか? 怖ければ生国に引き返しても構わないぞ」

 黒猫……フィンラスは二本の尻尾を揺らし、誇らしげに腕を組んでいる。二足立ちで……。

「か! かかか……」

 突然の出来事に声にならない声が出たカテリアーナは次の言葉とともに行動に出ていた。

「可愛い! もふもふなお猫様!」

 体躯は黒いが、腹側の毛は白い。手触りは極上の絹のようだ。

 カテリアーナはフィンラス国王のもふもふな胸に飛び込んでいた。

 そう。カテリアーナはもふもふが大好きだったのだ。
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