妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 しかし、塔へ帰ったカテリアーナを待っていたのは残酷な現実だった。

 ノワールからの贈り物一式はすでに持ち出されていた。

 おそらく、アデライードはカテリアーナの了承を得ずともドレスを奪う気でいたのだ。

「なぜ? なぜここまでの仕打ちを受けなければならないの?」

 カテリアーナはその場でくずおれると、涙を零した。

 祖母が亡くなってからは、どんな仕打ちをされても決して泣かなかったというのに……。


 翌日、泣き腫らした顔でエルファーレン王国への扉を開くと、ノワールが尻尾を揺らして待っていた。

「どうした? その顔は? 泣いたのか?」

 ノワールの姿をみとめるとカテリアーナは駆け出し、黒い小さな体を抱きしめる。枯れたと思った涙が再びカテリアーナの頬を伝う。

「ノワール! ノワール、ごめんなさい! ドレス姿を貴方に見せたかった!」

 カテリアーナが泣き止むまで、ノワールはじっと抱きしめられたままだった。
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