妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 実を言うとカテリアーナはフィンラスに会うまでは、何とか逃げ出して一人で旅に出ようと目論んでいた。ラストリアを離れてしまえば、王国騎士団に迷惑はかからない。彼らの任務は国境までの護衛だ。それにエルファーレン王国がカテリアーナを歓迎するとは思えなかった。人間が妖精の国に嫁ぐなど、ここ三百年前例がないからだ。

 だが、エルファーレンの国王フィンラスはカテリアーナの好みだったのだ。人型のほうではなく、もふもふ姿のほうがだが……。

 目的を果たしたら、地図を頼りに何とかしてエルファーレンの王宮へ戻ろうと思った。だからこそ、あんな手紙を残してきたのだ。

「笑っていたの? 戻ったら許してくださるかしら?」
「最初からお前の行動なぞお見通しだ。許すも許さないもない」
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