妖精姫ともふもふな妖精猫の王様~妖精の取り替え子と虐げられた王女は猫の王様と冒険がしたい~
 見張り台に立っていたトラ猫がハウスの中に飛び込んでくる。

「兄貴、大変だ! ソゥレの森のやつらが殴り込んできやがった!」
「何だと!?」

 ブチ猫は窓際により、地響きがする方向を見やる。窓と言っても窓という名の枠だけだが……。

「ちぃっ! 狙いはこれか?」

 カテリアーナはブチ猫が懐から取り出したものを見ると、目を見開く。

「それ、マタタビモドキじゃないの! 今すぐ捨てなさい!」
「何!? これは新種のマタタビだぞ」
「よく似ているけれど、マタタビじゃなくて、マタタビモドキよ! 猫には毒なのよ。捨てなさい!」

 マタタビモドキについてカテリアーナは説明し始める。

 猫はマタタビが好きだ。大量に与えなければ、酔った状態になるだけで依存性はない。

 ところが、マタタビモドキは一度味を知ってしまえば依存してしまう。効果が抜けてくると、禁断症状が出るので、抜け出せない。最後には体がボロボロになって死ぬ。
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