本能で恋をする
「おい!じじぃ!
いるんだろ!出てこいよ!」
「ちょっ……海斗様。今会議中です!」
「関係ねぇよ!」

俺は必死で止める秘書・鴨志田(かもしだ)を引き離し、会議室を開けた。

バン!―――
「おい!凛音に言った言葉撤回しろ!
お前のせいで、凛音がどれだけ傷付いたか………」

「海斗、親に向かってじじぃとは……
これだからガキは!」

「なんで、凛音にあんなこと言ったんだよ!」
俺は怒りで、今にも親父に殴りかかりそうだ。
「あーあのことか!当たり前だろ?
お前は将来この会社を背負ってくんだ。当然結婚相手もそれ相応の相手じゃないとな!」

「なんで凛音じゃだめなんだよ!
今時政略結婚なんて、ありえねーぞ!」

「とにかく、ダメなものはダメだ!」

は?――――何を言ってるんだ、じじぃ。

「とにかく俺は凛音以外の女は考えられないから。今度俺達の邪魔したら、俺にも考えがある。
それが嫌なら、俺を勘当でもすれば?
まぁ、できねぇよな!お、父、様!」
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