本能で恋をする
苦しむ
俺は凛音と会社へ向かう。
今日はまだ、親父と鴨志田は社長室にいるはずだ。

「凛音、ほんとは今すぐにでも凛音を抱いて、鴨志田にされたこと上書きしたいけど、全部決着したら、また壊れる位抱かせて!」
「うん、私も海斗にいっぱい愛されたい」


「よし!じゃあ行こう!」



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「親父、ちょっといいか?」
「海斗、凛音さん?どうした?」

「鴨志田も。4人で話したい」


鴨志田の目が光った気がした。






「―――なんだ。それは……!」
俺は全て、親父に話した。非通知電話のこと、手紙のこと、今日鴨志田が凛音にしたこと。

親父は酷く、狼狽していた。

「鴨志田、どうゆうことだ?」
「どうゆうことも何も。今、海斗が話したことですが全てですが?」

「なぜ、海斗や凛音さんを巻き込んだ?」
「海斗は、あなたの大事な息子だから。
凛音さんは、僕が先に惚れた相手で僕のモノにしたいと思ったからです」


「今すぐに、海斗と凛音さんから手を引け!
地獄に落とすのは、私だけで十分だろ?」
「ダメです。だったらせめて、凛音さんを下さい。
そしたら、あなたの大事な海斗から手を引きます」





ダン―――
親父が、机を殴る。
「もう、やめろ!叶斗!!!」
親父がここまで、怒りを示したのを見たのは、これが初めてだった。




ドン――――
「俺の名前を気安く呼ぶな!!!」
鴨志田が、親父に掴みかかる。


凛音が、隣で震えている。俺はしっかり手を握り“大丈夫だよ”と目で合図した。
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