受難体質の女軍人は漆黒の美形獣人に求愛される
 魔力を有する魔獣は、一瞬でその人との相性を嗅ぎ分ける。
 人族で言う勘のようなものだよ、とデュークは言った。

 魔力には属性があり、相性がある。
 魔術を使えない人も、わずかなりとも魔力を持っているものらしい。木、火、土、金、水、光、闇。七種類のうちのどれかを持っている。

「火属性の魔獣が水を怖がるように、木属性の僕は火が苦手。レーヴは、水属性だね。僕が苦手とする火を鎮静化し、植物を活性化させる」

 興味がある分野なのか、レーヴの目がキラキラしている。
 魔術が使えるデュークのことも同じような目で見ていたことを思い出して、そんな彼女をデュークはかわいいと思った。

「水属性の人は流されやすい性格らしいよ」

 だから気をつけてねと言えば、レーヴは口をへの字にして嫌そうな顔をしていた。
 思い当たる節がいっぱいあります、と顔に書いてあるようだ。
 そんな変な顔でさえかわいく思えるのだから、恋とは難儀なものである。
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