訳アリ令嬢ですが、憧れの公爵様に溺愛されています!
2 婚約式とミモザの栞

☆後戻りしない気ですか

 伯爵家に送り届けられた私は、午後から公爵家に訪問すべく、体中を磨きあげられました。
 先程の抱擁を思い出すと顔から火が出そうでしたが、メイドの皆さんが大慌てで準備していて、忙しくてそれどころじゃないのがちょうどよいです。

「公爵様ったら!もう少し前々からお知らせいただきたいものですわ!午前は婚約式に備えてお嬢様を磨き上げたかったのに!」

 キィーと奇声でもあげそうな勢いで、メイドのアンナが怒っています。
 そう、驚くべきことに、今日は午後から両家顔合わせをしたら、そのまた婚約式もしちゃおう!という計画らしいのです!急展開すぎて、理解が追いつきません…。

 アンナも予想外だったのか珍しく慌てています。まあ仕方がないですよね、私、お嫁さんじゃなくて花屋さんになる予定でしたからね。



 公爵邸に到着すると、豪華な玄関ホールにてウィルのご両親である前公爵様とカタリナ様が迎えてくださいました。

 両親とともに簡単な挨拶を終えると、カタリナ様が、ニコニコして私の手を取りました。

「ローズちゃーん!待ってたのよー!さあ、あっちのお部屋に一緒に行きましょうねー!」
「カタリナ様!?えっ!あのその、ええっ!」

 いつの間に現れたのか、両脇に公爵家のメイドさんがいます!そしてカタリナ様が示す方へと連行される私。何が起きているのでしょう?婚約式の前に嫁姑対決でしょうか?!
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