マリアちゃんと鬼ごっこ
「は、早くみんな逃げろ!」
俺は三花と矢野の背中を押した。
「逃がさないよ? ねえ、遊ぼうよ」
マリアは井上に刺したノコギリを抜き取った。その刃には人形にされた井上の白い綿がぶら下がっている。
次に捕まったのは根本だった。根本は心臓をひと突きにされていた。
さっきまで生気があった瞳が暗くなっていく瞬間を見た。
逃げたいのに……足が震えて動かない。
「きゃああっ、誰か助けて……っ!!」
マリアに背を向けた浜口も髪の毛を掴まれて、その柔らかい体にノコギリが刺さっている。
「やだ、まだ、死にたくない……たすけてください、お願いします……っ」
力が抜けてしまった菅野はぺたりとしゃがみ込んでいた。必死に後退りをしてもマリアはニコニコしながら菅野の前に立った。
「泣く子は弱いんだって、ママが言ってたよ?」
そう言ったあと、尖っているノコギリの刃が菅野の頭に振り下ろされた。
「次はきみかな?」
そんな中で、マリアと目が合う。