マリアちゃんと鬼ごっこ


さっきまで喋ってたはずの井上、根本、菅野が一瞬にしてやられてしまった。

マリアは今までどれだけの人を殺してきたんだろう。

虫も殺せないような幼い顔をして、人を殺すことをなんとも思わない正真正銘の殺人鬼。

……こんなやつから逃げられるわけがない。

恐怖よりも絶望が襲ってきてぼーっとしていると、グイッと強く手を引っ張られた。

「なにしてるの! 早く逃げるよ……!!」

力が入らない俺を連れて走ってくれたのは、三花だった。

「えーどうして行っちゃうの? もっと私と遊んでよ!」

駄々っ子のようなマリアの声が背後から聞こえる。次第にマリアの姿が遠ざかり、うるさかったバイブ音はいつの間にか消えていた。
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