マリアちゃんと鬼ごっこ


「そういや近道するために洋館の前を通ってきたんだけど、やっぱり不気味だったわ。しかも規制線のテープも外れてたし」

「へえ」

俺は凛太郎の話を流しながら、一時間目の授業の準備をしていた。

「誰か面白半分で入ったんじゃないの? ほら、例のお人形ちゃんに会いたくて」

「いや、会ったらやべーだろ!」

他の人たち同様に、三花と凛太郎もこの町に流れている噂話に花を咲かせている。

凛太郎が言っていたとおり、この町には洋館がある。

それは深く生い茂っている森の先にあって、建物は白色をしている。瓦が張られている三角屋根は五つあり、カーテンが見えている縦長の窓はいくつあるのか数えられない。

窓がそれほどあるということは、おそらく部屋数もかなりのものだろう。

もはや、家というより城だ。

そんな立派な洋館がいつからあって何年間放置されているかは誰も知らない。ただ廃墟と化している洋館はもぬけの殻、というわけではないらしい。

みんなが口を揃えて噂している話はこうだ。

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