Livre magie〜信じる心〜
「イェルペ!」

僕は魔法を使い、カズをふわりと地面に浮かせて地面に倒れてしまうのを防ぐ。どうやら気を失っているらしい。

「力を使いすぎたみたいだな。ネクロマンサーは俺たち魔法使いと違って、直接的に魔力を使うから負担も大きいんだ」

リオンがそう言い、眠ってしまったカズを見つめる。眠っている顔だけを見ると、綺麗な黒髪のイケメンで、恐ろしいゾンビたちを操るネクロマンサーとは思えない。

「物の怪はカズが倒した一体だけだし、元の世界に帰ろう」

メルキュールにそう言われ、僕は頷く。カズをちゃんとベッドに寝かせてあげないといけないしね。

「さようなら。またいつか会える日まで」

物語の最後の文を口にした刹那、白い光に包まれた。





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