パントゥーフル ~スリッパの乱~
僕はラップをはがし、指輪を美樹の左の薬指にはめてやった。
ピンクゴールドが、細かいしわのある、ほどよい肉付きの指によく似合う。
「25年間ありがとう。これからも僕の奥さんで、よろしくね」
美樹はお天気雨の顔でこっくりと頷いて、ダイヤの輝く左手を嬉しそうに眺めた。
「だけど、真一さん、ひとつだけ言っていい?」
「なにかな?」
「せっかくのパントゥーフルのケーキ、今度は潰さずにきれいなまま食べたい」
あの無様な崩壊ケーキを味だけでパントゥーフルと当てるとはアッパレだ。
ピンクゴールドが、細かいしわのある、ほどよい肉付きの指によく似合う。
「25年間ありがとう。これからも僕の奥さんで、よろしくね」
美樹はお天気雨の顔でこっくりと頷いて、ダイヤの輝く左手を嬉しそうに眺めた。
「だけど、真一さん、ひとつだけ言っていい?」
「なにかな?」
「せっかくのパントゥーフルのケーキ、今度は潰さずにきれいなまま食べたい」
あの無様な崩壊ケーキを味だけでパントゥーフルと当てるとはアッパレだ。