本能で恋をする~after story~
バカップルの日常・~海斗の崩壊~
*****凛音 side*****
「凛音!一生のお願い!!」
きみちゃんが顔の前に拝むように手を合わせて、言ってきた。
「何?きみちゃんの頼みは出来る限り聞きたい!」

「一週間……。
一週間だけでいいから、私の代わりにバイトお願いしたいの!」
「え?バイトって?」
「ホステス?」
「あー、ホステスね!
――――って!ホステス!?」

でも、きみちゃん今妊娠中―――

「あ、ホステスしてたのはだいぶ前だけどね!」
「そうだよね…。
でもどうして?」
「私がバイトしてたクラブのNo.1の娘が、今日白内障の手術するらしくて、一週間店休むらしいの。それで、私に代わりに一週間だけ、出てくれないかママに頼まれて……。
でも私、妊娠中でしょ?だから――――」

「もしかして、代わりに私にホステスのバイトしてってこと?」
「まぁ、早い話そうゆうこと?」

「む、無理だよ!そんなのできない。やったことないし…」
「でも、凛音しかいないのよ。No.1だよ!その代わりを務めれるの」
「私、そんなに可愛くは………」
「は?それ、本気で言ってる!?」
「え、あ、あの………」

こ、怖い…きみちゃん……。

「お願い!!私を助けて!ママにはスゴくお世話になったから、出来る限りしたいの!」
「きみちゃん……。でも上手くできるかわからないよ!」

「凛音……ありがと!大丈夫。ママにもちゃんと言っておくから。それに店も一平が目を光らせてるから、安心だし!」
「あっ、そうなんだ。じゃあちょっと安心かな?」

最近になって知ったのだが、一平さんは沢山のクラブ等を統括しているらしいのだ。

よし、大切なきみちゃんの為だ!
あ、でも海斗はどうしよう?
きっと大反対するよね?もしかしたら、店に殴り込みに来るかも…?

「でも、きみちゃん?海斗どうしよう?」

「あ、奴を忘れてた………。
あっ!そうだ!!」

きみちゃんが海斗に電話をする。
「あ、海斗?あーなんだよ、じゃないよ!あんたほんとに凛音以外には冷たいわね……。
まぁ、そんなことどうでもいいわ!
今日から一週間凛音を、私に貸して!!
妊娠中のつわりで、最近辛いのよ。一平も仕事忙しいし。親は遠いし!
だから、家事とか凛音が手伝ってくれるってゆうのよ!
だ、か、ら!毎日通わせるの凛音が可哀想でしょ?
――――はぁ?あんたがいても邪魔なの!!
――うん、―――うん。だ、か、らぁ!あんた少し位凛音離れしなさいよ!永遠に離れるんじゃないんだから!
たった一週間でしょ?」

きっと海斗怒ってるんだろうな………。

「だ、か、らぁ!あんた何度言えば……。
はぁ?ちょっ……海斗!」

「き、きみちゃん?」
「海斗、今からこっち来るって!」
「えー!だ、大丈夫かな?」
「まぁ、二人で説得しよう!一応一平呼んどくか!」
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