本能で恋をする~after story~
ピンポーン。ドンドンドン―――――

海斗がドアを叩いている。
きっとかなり頭に血が上っているのだろう。

「おい!!人ん家のドア壊す気か!!」
「え、あ、一平さん!?すみません!
凛音は?今すぐ連れて帰りたいんですが!!」

「とりあえず、上がれ!!」
「はい」

タタタタ……
バン―――――!!
「凛音!?無事か!」
「無事かって何よ!人を誘拐犯みたいに……」
きみちゃんが呆れたように言う。


「凛音!凛音……。帰ろう、今すぐに!」
海斗はそんなきみちゃんを無視し、私の所に来て抱き締める。
「海斗……お願い。私、きみちゃんの力になりたい!」
「なんでだよ!一週間も凛音と離ればなれなんて、耐えれない。
凛音は平気なの?俺と離ればなれ……」

「それは……。
でも、きみちゃんも大切な親友だもん!海斗…お願い……!」

「海斗、俺からも頼むよ…。これは俺じゃ君加の力になれないんだ」
一平さんが頭を下げている。
その事が、海斗の頭に上った血を冷ましたようだった。

「わかったよ……。その代わり凛音…?一週間後、覚悟しててね!まぁ、わかってると思うけど……」
「え…?」

嫌な予感がする――――
一週間後の壊れた自分を想像し、顔が赤くなる。

「じゃあ俺帰るわ!これ以上凛音といたら、連れて帰りそうだし。
君加、一平さん、凛音をよろしく!」

「わかった」
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