本能で恋をする~after story~
「叶斗、さっきはごめん。取り乱して……」
「いや、海斗の気持ちも痛い程わかるから」
「私もごめんね、叶斗くん……ありがとう!」

三人でホテルを出て、電車に乗った。
電車内、ボックスシートに三人で座った。
凛音を窓際に座らせ、横に座る。凛音の向かいに叶斗が座った。
凛音は俺の肩に頭を預け、俺の手を握って眠っている。

「凛音ちゃん、かなり疲れてたんだろうね」
優しい顔をして、叶斗が言う。
「だな。たぶん一人でかなり悩んだんだろうな」

「……」
「……」
「なんだよ!なんか言いたそうだな」
叶斗が何か言いたそうに、俺を見ている。

「いや、一宮くんのことどうするのかなって……」

「あー“アレ”?」
「“アレ”って言わないでよ!ほんとに容赦ないよね……」
「アイツがそうゆうなら、受けてたつよ!殴りはしないけど、会社は辞めてもらう!」
「ちょっと、やめなよ!凛音ちゃんの気持ち考えてあげてよ。私情挟むことを、凛音ちゃん嫌がってるよ!僕達の会社のことを思って―――――」

「わかってるよ!!!
わかってるけど、ダメなんだよ!凛音を傷つける人間を見ると、身体が冷たくなって、許せなくて、排除しないと、俺自身が壊れるんだ!」
「海斗…」
「だから私情でも、この選択が間違っていたとしても、そうしないと、自分が自分じゃなくなるんだ」

「ん……海斗…?」
俺が、急に興奮して身体を揺らした為、凛音が起きてしまった。
「どうしたの…?二人とも…」
俺達のただならね雰囲気に、瞳を揺らす。

「あ、僕が海斗を怒らせちゃったんだ。凛音ちゃんの寝顔が可愛くて、ちょっと触れただけなのに……」
「そうなの(笑)?
もう!海斗ったら/////」

「だって、凛音は俺のモノだもん!」
咄嗟に叶斗がついた嘘で、その場が収まることができた。
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