本能で恋をする~after story~
家に帰りつくと、凛音が
「ねぇ、海斗。ギュッてして……。まだ不安で……」
「うん」
凛音を抱き締める。
強く――――

「ねぇ、今日はずっとくっついてていい?トイレ以外」
「うん、いいよ。
でも“今日は”じゃなくて、いつもくっついてていいのに。凛音はあんまり甘えないからな……」

「そんなことないよ。いつも甘えさせてもらってるよ?」
「いや、確実に俺の方が甘えてる(笑)」
「そうかなぁー?」


それにしても、凛音にずっとくっつかれると、理性が………
「あっ!!!忘れてた!!」
「な、なんだよ!びっくりした……」
「どうしよう、海斗。お義父さんにお土産買ってない!」

「なんだよ、そんなこと?」
「そんなことじゃないよ!あそこのホテルのお酒好きだって言ってたでしょ?どうしよう……。
あ、そうだ!ホテルのお酒はダメだけど、違う種類のお酒買って届けに行こう。
酒屋さんに行けば、色んな種類のがあるでしょ?」
「そこまで、しなくても……」

「ダメだよ!行こう!?
海斗が行かないなら、私一人で行ってくる!」
さっきまでの、不安が嘘のように凛音が俺から離れ、玄関に向かう。
「ちょっ……凛音!一人はダメ!俺も行く!」
急いで追いかけた。

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