本能で恋をする~after story~
「凛音、遅いな……」
いくら女性がトイレに時間がかかるにしても、遅すぎる。
まさか、体調悪くなったとか!?

俺は急いで、トイレに向かった。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「――――ねぇ、どうしてくれんの?だから言ってんじゃん!お姉さんが付き合ってくれるなら、許すって!」
「許すも何も、軽く当たっただけじゃ……それくらいで怪我する訳………」

凛音が不良連中に、絡まれていた。

「おい!俺の凛音に何してんの?」

感情がなくなりかけるが、また凛音を怖がらせないように、出来る限り冷静に言った。
そして凛音と不良連中の間に入り、凛音を背中に隠す。
凛音が、背中で俺の服を掴むのがわかる。

「あ?お前、お姉さんの何?」
「旦那だけど?お前等こそ何?」

「お姉さんが俺にぶつかってきて、怪我したんだよ!
だから、お詫びしろって言ってんの!」
連中の一人が、俺に凄んできた。

「はぁ?凛音みたいな小さい女がぶつかった位で、お前怪我すんのかよ!バカじゃねーの!」
俺も真っ直ぐ見て、にらみ返した。

「なんだよ!やんのかよ!」
俺の胸ぐらを掴んでくる。
「はぁー。ま、いいや!じゃあ今から病院連れてってやる。あいにく車じゃないから、特別にタクシーで。治療代も全部俺が出すから。
その代わり何もなかったら、覚悟できてるよな?」
にらみ返したまま、静かに言った。

「チッ!!行くぞ!!」
さすがにぶが悪いと思ったのだろう。
おとなしく去っていった。

「凛音?もう大丈夫だよ?」
「あ、うん。良かった……」
「行こうか!」
頭をぽんぽんと撫で、定食屋を後にした。
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