2番目の恋
笹崎が深くため息をついた。
そして優しく笑い返す。

「ほんっとバカだなあ。」

全部包み込んでくれるような笑顔。

「もし俺のこと信用できないとか思ってんなら、そんなのぶっ壊してやるよ。ぶっ壊して、美織のことも、咲良のことも、まるごと愛す。」

「私、好きになったらとことん好きになるよ?」
「おう、来いよ。」

「私、どこもいいとこないよ?」
「俺のくだらない話で一番笑ってくれるのは美織だよ。」

「でもバツイチ子持ちだし」
「もしバツイチとか子持ちをハンデだと思ってんなら、俺をなめんな。」

そう言って笹崎はニッと歯を見せた。

私は笹崎の大きな体に飛び込んだ。

笹崎が私の頭を優しく撫でる。

「もう俺を信じてよ。」

笹崎の顔を見上げる。

「じゃあまるごと愛して?」

そう言うと笹崎はきつく抱きしめ返してくれた。

「嫌だったら嫌って言って。」

すごく近い笹崎の顔。

「いや。」

そう言いながら笹崎を体ごと抱きしめ返す。

「嫌がってないじゃん。」

笹崎はそう呟いて、私をそのまま床に寝かせた。

ひんやり冷たい。

私の上に跨る笹崎。

顔が近づく。

笹崎の目がいつもと違って、全然友達って感じもしなくて、初めて見る顔だった。

笹崎の唇。
はじめてのキス。

もう友達には戻れないかもしれない。

優しいタッチのキスで、すぐに顔が離れる。
笹崎がじっと私を見下ろしている。

どうしよう。
物足りない。

私は笹崎の顔をすぐに自分の方に引き寄せていた。
そしてまたキスをした。

笹崎の舌が入ってくる。

笹崎ってこんなキスするんだ。
あんなに仲良かったのにね、全然知らなかったね。

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