1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


「大丈夫、別れてないよ」

海斗は立ち上がり健の頭をなでて、台所へ行った

「コーヒーでいい?」

「うん」

「お兄ちゃん、春休み遊べないの?」

「うーん、そのことをお姉ちゃんと話そうと思って来たんだ
琴ちゃん、お姉ちゃんを少し借りていい?」

「うん、お話をするのね、いいよ」

琴は台所のドアを閉めてリビングに行った

コーヒーを海斗の前に置く

「ごめんなさい、練習の邪魔しちゃって
中断させちゃって反省してる
見に行くんじゃなかった」


「いや、まさか、菜々美が来るとは思わなかったからさ、びっくりしただけ

2人に何かあったのかと思っただけ
元気ならよかった」

「ごめんなさい……あの剣也くんに帰りに会ってね、海斗くんを見に来てる子がいるって聞いて……

買い物に出たからちょっとだけ見たくて行ってしまったの」



「俺を?………

あー、美術部の1つ上の先輩のことかな
何か、俺のサッカーをしてるとこが描きたいって言われて」

「美術部?」

「何かフォームがデザイン的に気に入ったらしくて、遠くから描かせて欲しいって前に言われて……

俺はだからいつ、どこで見てるのかはわからないんだよな(笑)」

「それは前に呼び出された時?」

「あっ、そうそう、あれ?言ってなかったっけ」

「聞いてないし、聞けなかった」

「すぐ忘れるから聞いてもよかったのに、彼女なんだから」

「告白されたのかと思ったから……」

ふぅっと息を吐いた

よかったぁ

< 115 / 220 >

この作品をシェア

pagetop