1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


話し声が聞こえてきた

「海斗くん!」

「ん?」

「ちょっと……」


手招きする

先に帰っていいぞと仲間に言って明日香の方に来た

「何?」

「菜々美が泣いてる」

「ん?何で?」

「昨日の事で」

「昨日?」

「亮ちゃんから聞いてないの?」

「亮太?」

「俺は直接聞いたわけじゃないし」

「昨日菜々美との約束をキャンセルして別の女の子といたんでしょ?」

「何で知ってるんだ?」

「カフェに朝香がいたの」

「……そうか、でも何でそれで菜々美が泣くんだ?」

「それは不安だからでしょ、冬休みから会ってないんでしょ?また去年と同じことしてるじゃない」

「それは……」

「私らには関係ないから理由は菜々美に言ってね、行こう亮ちゃん」

「また明日な海斗」

明日香は亮太の腕を組んで帰っていった

ちぇっ、言いたいことだけ言って楽しそうに帰るんだな


でも健も昨日怒ってたしな
寄ってみるか……


あっ、お父さんがいる日かな?

あれ?いつだったっけ……

海斗の携帯のスケジュール表には菜々美のお父さんのいる日がチェックしてあったのに1月の予定が入ってなかった



俺、聞いたっけ……

聞いてないな……

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