1人で頑張らなくてもいいんだよ、俺にも頼ってよ


家までの道のりを菜々美は自転車で、海斗くんはランニングで菜々美の家に向かう

私は海斗くんの傍にいてもいいんだよねと自転車から叫ぶと


俺らは1年1組の公認カップルだーと叫び返してくれた


家に着くと2人は笑いあった

何かアオハルしてるみたいって思った

ちゃんと女子高生してる!と菜々美は楽しくなった



「ただいま、遅くなってごめんね」

「帰ったぞー」

琴ちゃんが走ってきて飛びついた

「お兄ちゃーん」

「どした?」

琴ちゃんはすねているようだった


海斗くんが涙を拭ってくれている

菜々美は健くんの部屋に入る

「ただいま」

「おかえり」

「こんにちは」

「いらっしゃい」

菜々美は部屋で着替えて下に下りた

海斗くんは琴ちゃんから話を聞いてるようだった

健くんの友達が来てたのか……


大体は健くんが行く方で滅多に来ないんだけど、遊べないって言えなかったんだな

5年生の男の子と1年生の女の子はやっぱり遊びが違う

琴ちゃんは仲間に入れなくて拗ねてたのね

土日の両方をお留守番にするには可哀想だったかな


菜々美は健くんとお友達にジュースを用意していた

ジュースを持っていき下りてくると海斗くんと琴ちゃんはお人形さんで遊んでいた

「海斗くん、無理にしなくてもいいよ
高校生になってままごとなんて嫌でしょ?
私が代わるから」



「ママは琴がするもん!お兄ちゃんはパパだもん!」

琴ちゃんは怒っていた


「いいよ、パパは今から帰るよ、ご飯の準備をしといてくれるかな?」

「はーい」


ホントにごめん……海斗くん

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