今さら本物の聖女といわれてももう遅い!妹に全てを奪われたので、隣国で自由に生きます
もっとも、聖女である私をテロリスト扱いするわけはないだろうけど。だけど捜索はされるだろう。それも執拗に。セイフェルーンとしては私を失いたくは無いはずだ。私を失ってしまえば、その国防力は圧倒的に下がってしまうから。

そうすればそれは他国への隙になる。今までは私が結界を張っていたから侵略も何も無かったが、しかしそれがなくなるとなれば話は穏やかではない。セイフェルーンは大国ではないが、それなりに豊かな国だ。セイフェルーンを欲しいと思う国は沢山ある。

私が頷くと、アリアス殿下は甘やかな笑みを乗せた。

「僕の恋人になってくれたら、きみの身分を僕が保証しよう」

───どう?きみにとっても悪い話では無いと思うんだけど

アリアス殿下はそう続けた。それは、これからどう生きようか迷っていた私にとって渡りに船な話であった。
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アステリ王国に聖女が現れた。 それは、私の妹だ。 「ねえ、お姉様。私、お姉様の婚約者のこと、好きになっちゃった……だから、私に譲って?お姉様の代わりに、私がお姉様の分まで、彼を愛してあげるから──」 妹は誰からも愛される。みな、妹のアリアを好きになる。 「ダリア、あなたは冷たい女だ。あなたのような薄気味悪い女と生涯を共に、なんて考えただけで反吐が出る」 婚約者に呼び出されて言われた言葉は。 「この国のために死んでくれ」 渡されたのは、死ぬための短剣。 「この国のために死んでくれ」と言われましたので──それでは皆様、お元気で。

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