バレンタインの奇跡
「雅ーーーー
ありがとう。

大好きだよ、サヨナラ私の大好きな人」



私は精一杯の笑顔を雅に見せた。


雅は驚いたように目を見張った。




そしてーーー雅に抱き締められた。



透明な私ーーーー。




この時だけ、私は生きてるように錯覚した。



私は、雅が好き。




バレンタインの日、私は雅に渡せなかったチョコの代わりに、雅が私にくれたチョコレートは、雅が目の前で火を付けた。



黙々と燃えてく箱と、チョコレート。



私は、燃えてくチョコレートを見つめた。


「ーーーー雅。

最後のお願い聞いて」






両想いだった私達。

だけど、雅の未来に私は居ない。



だからせめてーーーー。






「キス欲しい。

雅、好きだよ」





私の最後の願いーーーー。







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