愛され、溶かされ、壊される
もちろん新年会も、福井くんは私の横に座っている。
私を壁側に座らせて。

「濱野さん、◯◯大学出身ですよね?」
「へ?どうしてそれを?」
「僕もなんですよ。◯◯大学」
「えー!そうなの?でもそんな訳………」
「どうしてですか?ほんとですよ」
「だって、福井くん位カッコいい人だったら、絶対覚えてるはずだし」
「僕、カッコいいですか?」
「え?う、うん。とっても……」

「そっか。僕、カッコいいのか…」

「え?あ、ごめんね…もしかしてそう言われるの嫌いとか?」
「いえ、濱野さんになら言われたいです」
そう言って、真っ直ぐ見つめられた。
そして、私の口唇を福井くんがなぞってきたのだ。

「え……?あの……」
「もう一度言って!カッコいいって…。その可愛い口で」

「あの…」
福井くんの綺麗な顔が、近づき―――――

チュッ―――

キスをされた。
私は端に座ってるし、死角だし、誰にもわからないと思うが、
「や……やめて…」
目を反らした。
「ごめんね…あまりにも可愛くて、それに声も可愛い」

からかわれている?酔っている?
わからないが、かなり恥ずかしい。
でも………

嫌じゃない━━━━━━━
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