愛され、溶かされ、壊される
どうしよう…よりによって、三井さんのフォローなんて。
竜くん怒るよね…?
とにかく一度、竜くんに伝えておかなきゃ。

私は竜くんのとこに足早に向かった。

「ねぇ、竜くん」
「ん?どうしたの?あおちゃん」
「あのね、今課長に今日から一週間三井さんのフォローするように言われたの。
あ、でも仕事以外は離れるようにするから」
「わかった。仕事じゃしょうがないもんね!でも警戒は解かないでね」
「うん」

竜くんに一言告げ、仕事に戻った。

「じゃあ。これをひとつにまとめて、綴じてくれる?」
「はい。わかりました」
私達は、他の社員と少し離れたテーブルで、作業している。
言われたとおりに、作業していると、
「ねぇこれ。この指輪福井からのプレゼント?」
そう言って、手を握られた。
え――――?

「あ、あの離して、下さい…」
「顔真っ赤!可愛いね…」

どうしよう……振り払いたいが、周りの目も気になる。
それにこんな所、竜くんに見られたくない。
色々な思いを巡らせていると……

「もしかしてこれ、キスマーク?」
「―――!」
「嫌!!!」
ドン――――!
バサバサバサ……………

三井さんが私の首に触れ、思わず突き飛ばした。
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