愛され、溶かされ、壊される
「んん……やぁ…たつく……も…だめ…」
「ん…あおちゃ…可愛い……」
スプリングの音と、葵の甘い声が響く部屋の中。
俺達は混じりあって、溶けていく。

葵と手を繋ぎ、繋がっているとほんとにこのまま溶けて、なくなりそうだ。

葵がビクッとなって、目がトローンとしている。
「あおちゃん?」
「ん…たつく、ん……幸せで、溶けそう…」
「フフ…可愛い…」
そう言って、繋がったまま葵を腕枕した。
シングルベットは二人では狭いが、俺達には丁度いい。

「竜くん、ベット狭いよね?竜くんのベットはとっても大きいのに…」
「シングルベットの方がいいな!あおちゃんとぴったりくっつけるし」
「ふぁぁ~」
「あおちゃん(笑)眠い?可愛いあくび!」
「竜くんが来てくれて安心しちゃって……」
「寝ていいよ…大丈夫…ここにいるから」
「うん…おやすみなさい」
「おやすみ、あおちゃん…」

コトッと眠ってしまった。
可愛いなぁ…頬を軽くつねってみる。
「ん…」
可愛い…

俺はしばらく葵の寝顔を見つめ、眠りについた。
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