潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
◆平穏な日々到来
会社についた舞は、日々のルーティンである作業に取り掛かった。
まずは、デスクを除菌シートで拭く。そして、デスクの上を整えていると、ふつふつと怒りが込み上げて来た。

今朝、昨夜奪い取った最悪な住民のゴミ袋を開け、燃えるゴミとプラスチックと資源ゴミに分別した。
しかも、ゴミ袋を開けた時、こんなにズボラな人間が同じマンションに住んでると思っただけで軽いめまいをおこした。

本当に酷かった。

缶だけならまだしも、1からゴム手袋をしてやり直す羽目になってしまった。
それに、昨日の発言も大人としてありえないものだったし、ゴミならなんでも入れていいと思っているふしがある。

出来るなら義務教育からやり直してほしい。
むしろ、胎教からやり直すべきだ。

ーーあぁ、本当に腹立たしい!!

朝から怒りに支配されている自分も嫌だったし、あの男のことが脳内から出ていかないことも嫌だった。
気持ちを落ち着けようと椅子に座り、ボトルに入れてきた紅茶をひとくち飲む。

ーーリラックス、リラックス……

今日は、ベリー系のお茶だ。
忌々しい出来事を思い出すだけで腹立たしいけれど、お茶匂いを嗅いだだけで少しは心が落ち着いてきたような気がする。
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