潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
◆宣戦布告
今日は、木曜日だし使ってない会議室が何個かあるはず……と、通常の仕事をこなしながら、共有会議システムで会議室の空き状況を調べた。

お昼だけポッカリ空いている会議室が1室あった。
お昼間際になっても押さえられている様子がなかったため、滑り込みで舞がランチミーティングと称して押さえることに成功した。

12時になった途端、スマホと財布だけ持ってエレベーターに乗り込んだ。
4階のボタンを押した舞は、階数が表示されている電光掲示板を目で追いながら早く早くと願う。
もし、管理会社の担当者がお昼でーーとか言われたらたまったもんじゃない。
舞だって、会社員だ。
休憩時間か、トイレにたつ時くらいしか自由時間はない。
唯一、1時間もの休みを与えられるのが昼休みなのだ。
だからこそ、ネチネチとイヤミを言ってやろうと思っていた。

この2週間弱の私の苦しみを説明して、騒音隣人を追い詰めてやるんだから。
今に見てなさいよ。絶対、後悔させてやる!

エレベータが4階に到着し、急いで予約した会議室を開けドアの横のプレートを〝使用中〟に変えた。
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