潔癖女子の憂鬱~隣人は、だらしない男でした~
ピタッと動くのをやめた舞は、その真意をたしかめたくて口を開いた。

「ど、どういう……意味ですか?」
「日曜の3時間だけでいい。その時だけ俺のことだけを考えて欲しい」

「3時間だけ?」
「俺みたいな手の掛かるヤツ、ずっと一緒は無理だろう? 平日は、部屋に帰って寝るだけだから生活できるし。最近、テレビの音にも気をつけてるから結城さんには迷惑かけてない。 でも、今までのように日曜の3時間だけは、俺のために時間を使って欲しい」

妙な提案に驚いた舞は、譲の肩を掴んで抱きしめられていた体を離して顔を見上げる。
すると、譲は眉根を寄せ、いたって真面目な顔で舞を見つめていた。

「譲さん、それって……」
「それくらい俺は、大事に思ってるし離したくないってことだな。みっともないけど」

「離したくないって。それは契約ってことですか?」
「契約……」

譲は、難しい顔をして考えるようにブツブツと何か言ってる。
少したって何かひらめいたのか、ウンウンと納得したように頷いたと思ったら、舞を目を見つめながらゆっくりと口を開く。

「契約じゃ味気ないよな。それに、里崎みたいに他の男が言い寄って来たら困るから、付き合うか?」

大きく目を見開いた舞は、一拍おいて「えぇぇーー!!!」と、大きな声で叫んだ。

「でも、日曜の3時間しか一緒にいられないんですよね? そんな関係意味あります?」
「睡眠を取らないと疲れが取れなくて月曜から仕事に支障がでるから、そんなに時間をさくことはできないんだよ。それに、平日の夜の食事もこの前失敗したから、きっと無理だろう?」

「それはそうですけど……」
「わかった。日曜の17時以降は恋人の時間を設けるから、それなら提案をのんでくれるか? もちろん恋人だから、キスもセックスも込みで」

「ちょっと、いきなり即物的なこと言わないでくださいよ」
「付き合うなら、それ込みだろーが!」

んー、と舞は唸りながら考えていると、しびれを切らした譲は「早く決断しろ」と迫ってきた。
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