婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?

「お! 珍しいコンビだな☆彡」

「殿下ッ!」


いつも私が驚くのに、今夜はルゥルゥがぴょんと跳ねた。
メイムーンと盗みを働いていたところを、王子に取り立ててもらったという兄妹だ。他の人たちとは少し、感覚が違うのかもしれない。


「いじめてませんよ! だって、私、もう知ってるから! ダリヤは殿下の御手付きだって知ってるから!!」

「……」


そうでもない。
遠慮があれば、この言い方はできない。


「ハハハッ☆ しかし湿った空だな。お前たち、もう中に入れ。ところでダリヤ、探したぞ」

「はぁ」


揃って中に向かい歩き出す。
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