婚約破棄されたけど隣国の王子様と飛空艇で世界旅行してる私は超勝ち組!?
「いいよ。怪我はない?」

「はい! あ、ドレスが……」


彼女は真っ青になって私の膝辺りを凝視している。

カトラリーが落ちる時に引っかかり、少し破けていた。彼女の立場からしたら、首ちょんぱもののピンチ。こっちは繕うだけでいいけれど、この子は上の人にお仕置きされてしまう。なんといっても今日の主役は国王なのだ。


「違うのよ。これはさっき、私が枝に引っ掛けたの。大丈夫」

「あ……ありがとう、ございます……」


彼女はこちらの意図を理解してくれたようで、深いお辞儀をして持ち場に戻っていった。

これくらいしか、やる事がない。
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