トンネルの向こう側
その人は、チンピラが完全にいなくなってからまた店の鍵を開け、中に入ってきた。

真っ暗な店内のカウンター内。

腰を抜かして座り込むオレに屈んで話しかけてきた。
「君、大丈夫? 
何かチンピラに追いかけられるようなヤバイ事したの? 」

「助けてくれてありがとうございました。
俺、今キャバクラのボーイをしていて、
店の女の子で俺にしつこくせまってくる店の人がいて…
たぶん…断り続けてたからかなぁ?」

「君さ、家出少年なの?」

「……… 家出じゃあありません。
追い出されたというか… 事情があって…」

「そう。 今何歳?」

「18…」

「そうかぁ〜。 じゃあ今日はウチにおいで。
タクシー呼ぶから待ってて。」

それから岡部はタクシーを呼び、自宅マンションへ恭弥を連れて来た。

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