契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
 それを思うと和臣は少しかわいそうなことをしたかもしれないという気持ちにもなった。

 でもいくらなんでもあのままでは……

と、和臣は机の上に肘をついて、ため息をついた。
 彼女があのままでは無事に調理師の免許を取り、結婚を解消したとしても、心配で目を離すことができないと和臣は思う。
 独身に戻ったら、また彼女狙う奴は現れるに違いないのだから。
 せめて自分と結婚している間に"そう簡単に男を信用してはならない"ということくらいは学んでもらわなくては。
 あの日、自分が彼女にした行いにそう言い訳をして、もう一度ため息をつくと、和臣はパソコンを立ち上げた。

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