契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
【さわやかイケメン弁護士瀬名和臣の裏の顔~政略結婚でエリート街道間違いなし?~】

 不穏なタイトルに胸騒ぎを覚えながら渚は記事に目を通す。
 その内容は到底受け入れらるものではなかった。
 和臣の結婚相手が、法曹界の実力者の娘であることを理由に、和臣が出世もしくは事務所での地位を目的として打算による政略結婚をしたのではないかという内容だ。
 テレビで見せるさわやかで正々堂々とした印象とはまったく違う彼の裏の顔だと揶揄している。
 記事の中では"関係者の話"として、事務所内での渚と和臣の様子も詳細に書かれていた。

「これ……」

 渚は絶句して愛美を見る。
 彼女が急に退職することになった理由が今ようやくわかった。
"関係者の話"は内部の人間にしか知り得ない内容だ。おそらくは彼女が漏らしたのだろう。

「これで、テレビで大人気の瀬名先生も終わりじゃない?」

 愛美が笑った。
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