契約結婚のはずが、極上弁護士に愛妻指名されました
 でもそれを、煩わしいというような感情はどこからも湧いてはこなかった。
 それどころか……。

『この年になって彼氏のひとりもいないなんてって、馬鹿にしてるんでしょう?』

と言って頬を膨らませていた渚を思い出すと、和臣は自然と口もとが緩むのを感じていた。
 もしかしたら。
 女性たちとの付き合いを絶ったとしても、そう退屈することはないかもしれない。
 そんなことを考えながら、和臣はパソコンをシャットダウンさせた。

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