おとぎ話の裏側~身代わりメイドと王子の恋~

『どんな相手にも分け隔てなく接する大きなお心もお持ちのようだし。ちょっと女性が苦手なようだけど…、彼ならきっと幸せにしてくださるわ』

あの言葉はリサを思ってのことだったのだと、ようやく理解した。きっとローランからリサとジルベールが惹かれ合っているのを聞いたのだろう。
入れ替わりをしていたリサやシルヴィアを闇雲に責めなかったし、爵位を持たぬ平民のリサにも態度を変えることはなかった。きっと彼女はそのことを言っていたのだ。


ローランは謁見の間でメイド服姿のシルヴィアに気が付き、リサと入れ替わっていることを早々に見抜いた。

何の目的があって侍女と入れ替わっているのか探ろうとシルヴィアに近付いたローランは、彼女の可憐な容姿と天真爛漫な人柄に心を奪われる。
彼は自分の身分を明かさずに、シルヴィアに求愛した。

一方のシルヴィアも、ジルベールの人となりを聞くべくローランに近付き話すうちに、彼の穏やかな人柄と優しさに惹かれていく。
公爵家の姫と王子の従者という身分差があると理解しつつ、その愛を受け入れたシルヴィア。

ローランは心も美しい女神のようなシルヴィアと結婚したいと、彼女に自分の身分を明かしたのだった。
それが、リサがジルベールに指輪を贈られた夜のこと。

リサとジルベールがバラ園で逢瀬を重ねている裏で、シルヴィアとローランもまた急速に惹かれ合い恋に落ちていたのだ。

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