ただ、一緒にいたい
俺を怖がらないで
その日から、毎晩愛月に酔っているように抱いた。
毎晩のように求めるのに、愛月は嫌な顔ひとつせず受け入れてくれる。

今日も壊れる程抱き合って、今俺の腕の中にいる愛月。
愛月が俺の右手を両手で包んでいる。
「ねぇ、あずちゃん?」
「ん?」
「あずちゃんは、俺が毎晩求めるの嫌じゃないの?」
「え?うーん。少し身体がきつい時あるけど、嫌じゃないよ!それに生理の時はちゃんと我慢してくれるでしょ?
どうして、そんなこと聞くの?」
「それは当たり前だよ!あずちゃんは俺の性欲処理じゃないんだし……。ただ一緒に住むこともそうだけど、俺のお願いを全部受け入れてくれるから、どうしてなのかなって?」

愛月が俺の右手を自身の口唇に持っていき、キスをした。
「もう二度と離れたくないからだよ…」
「え?あずちゃん?」
「それに彰くんになら、何をされても嫌じゃないから!」

どうしていつも、俺の欲しい言葉を愛月はくれるんだろう。
こんな小さな身体で、穢れた俺を真正面から。

だからこそ俺は、愛月を離せない。
< 30 / 79 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop